
ゼクノーバタイヤの購入がわかりづらいので、リンクを貼っておきます。
ゼクノーバ販売 公式サイト タイヤ購入が直接サイトからも行える様になったようです。
ゼクノーバ販売 ショッピングサイト 皆さんはこのタイヤご存知ですか?
まだ正式販売開始はされていないので、知名度はまだまだかもです。
ゼスティノの工場で生産されている、ゼスティノ同様、日本デザイン・設計、製造中国のタイヤです。
ドリフト界では一部テストなどを行われている様ですが、ゼスティノがヴァリノにD1関連は全面的に切り替わっていき、そのヴァリノの評判がちょっと?という感じなので、ゼスティノに代わる新しいコスパタイヤを、ということで、今回ゼクノーバのRS606 TW140 TYPE-S(ソフトコンパウンド)を筑波サーキットコース2000でグリップ全開テストをしてみました。
ゼクノーバRS606 TW140には2種類のコンパウンドが用意されています。
TYPE-S ⇒ 0℃からグリップする柔らかいタイヤ
TYPE-H ⇒ 25℃からグリップする、やや柔らかいタイヤ
TYPE-Sは、ドリフトなどで冷えた状態からコースインし、一周目二周目で競技するために、早期にグリップ力が高まる設定のタイヤとのこと。
寒い時期のサーキットでのグリップ走行では、果たしてどな結果をもたらすのか?
それを知りたく、筑波サーキットコース2000で行われるRX-8ワンメイクの走行会であるエイトリアンカップに於いて、本タイヤのテストを実施してみました。
この日の気温は8〜11℃。同日8:00から、RE-05Dを使ってスーパラップ(3周)の走行を実施し、その際のタイムは1分2秒180(自己ベストは1分1秒111)。
その後ゼクノーバタイヤに履き替え、8:50〜9:10に1本目、9:30〜9:45に2本目を走行しました。
●使用タイヤサイズと走行前インプレッション
ゼクノーバタイヤサイズは275/35R18。RX-8には最適のサイズです。
残溝は6.5〜7mm程度。最新のアタック専門のラジアルとまではいかないですが、少し浅溝に作られている様です。
タイヤを組んでいるところを見たが、サイドウォールはかなり柔らかめ。ホイールに組む前のタイヤの上に乗ったりしてみたが、全体としてタイヤ剛性は高い、とは感じられない感覚でした。
おそらく、タイヤの剛性でグリップを出す仕様というより、タイヤの構造などは一般ラジアル的で、その上に柔らかいコンパウンドを載せる、ゴムでグリップさせる方向性のタイヤなのだろうと推測し、エア圧は温間2.4〜5と少し高めを狙って走行することにしました。なお、走行前の皮むきは、組んでから一般道を筑波まで100km程度走行することで実施済です。
●筑波サーキット2000走行インプレ ゼクノーバ1本目
写真:たかTECHさん
コースイン直後からグリップしていきます。意図的に1コーナーでアクセルをラフに開ければ当然テールは出ますが、出方がおとなしくヌルっとした感覚。
しかし正直、まだこのタイヤのグリップ力などは未知数。いくら0℃からグリップ力を発揮すると言っても、作動温度は35〜40℃あたりにあるのでは?と予想し、アウトラップ3周目(計測2周目)にアタックしようと思い、アウトラップ2周目は少し抑え目で走行。
ところが予想を裏切り、このラップで高いグリップ力をいきなり発揮します。
特に縦のグリップ、トラクションは優秀。ブレーキのストップは国産ハイグリと遜色ないレベル。
しかし、高速コーナーでの横の踏ん張りが足りない。筑波サーキットで言えば、ダンロップ〜80R、そして最終コーナー。2周目のグリップ力が良い状態でも、踏ん張りが不足している感じです。
そんな状態でコントローラインを通過。計測1周目は1分3秒848と、いきなり3秒台です。非常にレベルが高いタイヤです。この日はベストの寒い時期より0.5〜1秒落ちることを考えると、3秒前半が出ていてもおかしくない状況とするとさらに驚きです。
セクタータイム、最高速は以下です。
[Sec1]26.329 [Sec2]26.315 [Sec3]11.204 [TopSP]165.822km/h
ところがこの状態はここまででした。
その次の周から、少しずつ横のグリップレベルがダウンします。
これがゼクノーバの瀧澤さん(販売元代表)がおっしゃっていた、『熱が入りきると、そこからグリップは落ちます』という状況なのかと驚きます。本当に、ドリフト競技の一発目に結果を出すための仕様なんだなと。
計測1周目同様、高速コーナーでそれらはかなり顕著になり、最終コーナーは1周目と同様の進入をすると、完全なドアンダーでアクセルが入れられません。
でたタイムは、1分4秒225。コンマ4落ちました。
ただ、セクタータイムで見ると下記の様に、実はセクター1、2ともに1周目よりも良いです。
[Sec1]26.194 [Sec2]26.312 [Sec3]11.719 [TopSP]166.410km/h
最終コーナーは少し走りをミスしたと考えると、2周連続で3秒台は出せると言えます。
それからピットに戻り、エアを計測しました。
右F240kpa
右R240kpa
左F258kpa
左R252kpa
※4本220kpaスタート
エアを210kpaに落とし、さらに2周してみますが、残念ながらその後は5秒台と奮わず。
それ以上走ってもタイヤを消耗するだけなので、この枠は一旦走行終了としました。
●筑波サーキット2000走行インプレ ゼクノーバ2本目 熱が入ってダメならば、ヒートをまたいでタイヤを冷やした上でアタックしてみたらどうなのか?を試してみます。
とは言え、インターバルは約20分。それほど冷えているとは言えない状況ではありますが、再度アタックをします。
計測1周目からアンダーが強めのため、アタックを断念し後続車両に譲り、計測2周目で再度アタック。
ヘアピンはボトムを落とし、縦のトラクションを活かす走りに変更し、高速コーナーは全体的に速度を落とし気味で進入し、通常よりワンテンポ遅くじわりとトラクションを入れる様な、少し前の世代のタイヤで走る時の様な基本的な走法に変更して走行してみます。
熱がだいぶ入ってきているためか、最終コーナーは特にリアもムズムズしてきたりしますが、ここはさすがのドリフトタイヤ。いきなりスパン!とトラクションが抜けるようなことはなく、リアタイヤが沈み込み、ゆっくりとゼロカウンターの手前くらいのスライドでコーナーを抜けていきます。
こういうところは間違いない、コントロールはしやすく非常に素直なタイヤですね。
計測2周目(実質1周目)のタイムは1分4秒574。少しタイムは戻っています。
セクタータイムは以下。
[Sec1]26.511 [Sec2]26.653 [Sec3]11.410 [TopSP]165.289km/h
全体的にコンマ2〜3くらい落ちている感じです。
●タイヤ状態
走行前の右フロントのタイヤ状態。もちろん新品状態。

2本走行後のタイヤの状態です。
まずはフロントタイヤ。
左フロントはアンダーを出してこじってしまっている点から、少し摩耗がひどい状況ですが、これはタイヤのグリップに頼りすぎない走りをすれば、もう少し変わってくると思います。ただ、グリップピークとそうでない時のギャップが大きく、この特性をきちんと把握できないとアンダー発生は必然担ってしまうかもしれません。

なお、リアタイヤはきれいなものでした。
●総合評価 サーキット走行のグリップでの前提であるならば、TYPE-Sという0℃からグリップするコンパウンドのタイヤは、正直万人受けするタイヤ、とは言えません。
新品時のアウトラップ2周目のグリップレベルはかなりものがありますので、そういう限定された環境で結果を出す必要のある人には最適です。ブリヂストンのRE-05Dと近い目的、カテゴリなのかもしれません。
路面がキンッキンに冷えた状態でも安心して踏めるというのは明らかなアドバンテージです。
そもそも一番柔らかいR1というグレード(TW140)だと、猿走りをするには少し厳しいと思います。アンダーを出してしまうと、そのタイヤは更に熱が入り、熱が入るとゴムも溶けて、すぐになくなってしまいそうです。
そういう意味では、RS606のR1の今回試したTYPE-Sという0℃からのグリップコンパウンドではなく、25℃からグリップするTYPE-Hを試してみたいところです。
そのタイヤの評価を以て、ゼクノーバ RS606 R1の正しい評価としたいと思います。
なおこのタイヤインプレの様子を、大井貴之さんのYouTubeチャンネルで取材&公開されていました。
ご興味のある方は動画もご参照ください。
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