2019年05月06日
■グッドライド SPORT RS サーキット全開インプレッション in 筑波サーキット コース1000
皆さんグッドライドというメーカーをご存知ですか?
サーキット走行されている方なら、Attackなどでスポンサードしていることから知っているかも知れません。
グッドライド社のハイグリップラジアルタイヤ、SPORT RS を試させてもらうことができたので、インプレッションなどお伝えしたいと思います。
今回使用したのは265/35R18のサイズ。9.5Jのホイールに履かせています。
結論から言うと、トンガったハイグリップタイヤではない。タイムだけを追い求める人には向いていないが、サーキット走行を楽しむ人にはかなりアリ、というタイヤだと言えます。
以下詳細についてレポートします。
■街乗りインプレッション
あまり皆さんの関心はないかもですが・・。
街乗りでのロードノイズなどは、やや感じます。うるさいってほどでもないですし、気になるかどうかで言えば、ほぼ気にならない、という感じでしょうか。
乗った感触はゴツゴツしなく、柔らかめな印象です。なお、エア圧は2.2程度で走行しています。たまたまタイヤ交換をした帰りが雨天だったのでセミウェット的な路面を走行しましたが、特に滑りやすいといったイメージもなく、安心して走行できています。
■タイヤ残溝・価格
新品時の残溝は約8mmあり、ブロックの高さは高いと思われます。
最近のハイグリップタイヤも最近はだいぶ溝は薄く、4.8〜5.1mm程度がトレンドの中、このブロックの高さは、ストリートラジアルとしてのコンセプトであることが伺えます。すなわち、決してサーキットでのドライタイムを追求するものではない、と推測されます。
私が使用した、265/35R18のサイズですが、kakaku.comのサイトで確認したところ、現時点での販売価格は16,300円/本=65,200円/4本となり、かなり安い部類のタイヤです。
■サーキット走行
(写真:栗原祥光さん)
走行コースは、筑波サーキット コース1000です。
当日の気温は18度程度。走ると暑い、という気温の状態です。
自分で主催している、RTE筑千GWの勉強会8thでトータル3本走行しました。
エア圧は、高めが良いと事前に聞いていましたので、冷間2.0kpaでのスタートです。
●1本目走行(13:00〜13:12)
初グッドライド。下記の様な感触でした。
@横方向に対する踏ん張りは強い。スライドしてもよく粘る。
スピンするというようなことはほぼない。
Aタイヤインフォメーションはわかりやすい。
B縦のトラクションはやや弱い。スライドした時、横方向には粘るが縦に進めてくれないのでロスしてしまう。
C熱に対するタレは早い。
ブロックが大きい新品時だからここは仕方がない面アリ
D熱ダレしてからは、フロントタイヤが逃げるアンダーステアや、立ち上がり時にリアタイヤがブレイク仕掛けることが増え、抑えながらの走行となる
タイムは、計測1周目に40秒782を出し、その後40秒960を3周目に出した他は、クーリングを挟みながら安定して41秒4〜5秒台で周回できている様です。
路温が高いこともあり、一発目からタイムを出せているのは冬場でも温まりにくい、といった傾向はなさそうです。
ピットに戻り、摩耗状況を確認。すごくきれい。ブロックがこれだけ高いのに、暑い時期のTC1000で左フロントがこのくらいというのは、かなり驚きです。
TWが240ということも大きいのでしょう。摩耗や減りなどのライフは圧倒的に他ハイグリより上です。
右フロントはこのように、本当にサーキット走行したのか?と思えるくらいキレイで驚きです。
ここまでキレイなハイグリ、ここ最近で履いたことがありません。
走行後にエアを測ってみたところ、左前・後ろともに2.4、右前・後ろともに2.35でした。新品時でもそれほど空気圧が上昇していないのに驚きました。
なお、グッドライドの新品はブロックがヨレる、と事前に聞いていましたが、特にそういう感覚はなく、むしろエアは2.1〜2あたりがグリップしている様に感じましたので、次の走行は温間2.2を目標にセットを変更します。
●2本目の走行(13:48〜14:00)
は、フロントタイヤのアンダーステア感が気になったので、フロント減衰の設定をさらに弱めてコースインです。
計測1周目に41秒164を出し、いい感じです。やはりフロントをあまり突っ張る設定にしない方が良い様です。
この周は少しマシントラブルもあったのでここで走行を終了します。
●3本目の走行(14:36〜14:48)
気温もだいぶ上がってきているのと、路面もだいぶ汚くなっていますので、ベストタイムの更新は厳しいでしょう。ただ、より暑い状況でのタイヤの性格の変化や、熱を持った状態でのグリップ感などを確認するために走行してみます。
前の走行との間隔が40分程度ですので、タイヤも完全に冷めておらず、タレが早期から発生します。
タイムとしては42〜3秒と、1本目と比較し1〜2秒遅くなっています。
タイムはこのコンディションでは仕方がないです。
3本の走行を終え、総評としては冒頭にも記載した通り、トンガったタイムを出すためだけのタイヤではない、というところです。タイムを出すだけのタイヤなら、もっと溝を浅くしたり剛性を上げて柔らかめなコンパウンドを使って、とすれば良いのにそうしていない、ということからもそちら方向には振っていないのは間違いないです。
とは言え、タイムが遅くても話にならないのですが、実際に同コンディションで走行したならば、体感としてRE-71RやA052などの国産ハイグリップタイヤで0.8〜1秒程度は速く走行できるだろうと思われます。
でも、街乗りをしているタイヤのまま走行できることや、ちょっとストリートを楽しく走ってみよう、という、モータースポーツを楽しむ、というカーライフスタイルには最適なタイヤの一つではないかと思います。
なんといっても、265/35R18のサイズ4本で6万5千円という価格は安いですし。
タイムという絶対的な性能部分は確かに他ハイグリより落ちますが、十分楽しめるタイヤであると断言できます。