2020年11月23日
■サーキットでのRX-8の寿命はあと何年なのか?
自分がエイトリアンカップという、RX-8ワンメイクのタイムアタックを開催してきて、今年で16年目の、先日の岡山国際サーキットのイベントで71回目を迎えた。
数字だけ見ると、随分やったなという想いが出てくるが、これまでにそれこそたくさんの参加者の人たちがエントリーしてくれて、そして世代もどんどん入れ替わってきた。
もしこのまま同じように16年続けていったら、また同じように世代交代も当然出てくることだろう。
しかし現実的にはRX-8という車種はもう新車で売っておらず、中古車でどんどんタマ数も減っていく。そして部品の供給もいずれ少なくなっていく。マツダは100周年を迎えたが、車業界の吸収合併なども想定され、ロータリーエンジンの部品がゼロになる日が来ないなんて考える方が不自然だ。
そんな中、例えばエイトリアンカップは年間7戦程度と考えるとあと29回、4年後あたりに100回目を迎えることになる。
4年後に果たしてRX-8という車種でタイムアタックを続けている人たちはどういう人達なのだろうか。
ロータリーエンジンの例でいうと
1991年にFC3Sの販売終了
2003年にFD3Sの販売終了
2013年にSE3P RX-8の販売終了
というのが近年の状況だ。
サーキットで見かける車種で言うと、FCはほぼ壊滅的。FDもガチ組以外で楽しんでいる人は珍しいというのが個人的感覚。
※もちろんFCやFDでゆるい愛好者の方がいらっしゃるのは承知の上ですが、かなり少なくなっている、と読み替えていただけるとありがたいです
販売終了からの年数で考えると以下のようなパターンになりそう。
(1)30年経過するとサーキット愛好者はゼロに近づく
(2)20年経過するとサーキット愛好者はガチ組だけになる
実際はもっと早くに訪れていたかもしれないが、ここは敢えて多めに見積もっている。
そうなると、RX-8の場合、2033年頃にはガチ組だけになる可能性。
つまり、13年程度ガチ組の人たちはまだ楽しめる、とも言える。
しかしエイトリアンカップはガチ組の人たちのためのイベントではない。もちろんそういう人たちも楽しめる様に努めているが、むしろサーキット走行を、日常の休息、レジャーとして楽しんでいる人たちが大多数だ。
例えばFDの販売終了10年後の2013年にはまだまだFDの愛好者はたくさんいたイメージで、15年後の2018年あたりはほぼいなくなりつつあった、、そんな感じだ。
そうなると、2013年販売終了のRX-8は、10年後の2023年にはまだサーキット走行を楽しんでいる人たちがいて、2028年の頃は怪しくなっている、という状況だろうか。
自分自身、RX-8にものすごく人生を変えてもらった立場として、これからもまだまだRX-8に拘って走っていきたいと思っているが、RX-8で和気あいあいとサーキット走行を楽しむ残された日は、それほど長くないのかもしれない。
最後を迎えるその日まで、たくさんのRX-8オーナー達と楽しい日々を積み重ねていきたい、そう強く感じた。
本当にこんな奇跡的な車に出会えたことは、自分の人生に於いても幸せなことだし、こんな稀有な体験をたくさんすることができたことは、本当に素晴らしく、本当に語り尽くせない。
また同じ様な車に出会い、同じ様なことができるのか?といえばおそらく『No』だろう。すべてがタイミングだった。
俺もいずれ車で楽しむことをしなくなる日も来るだろうし、それは年齢的な面でもあるし精神的な面でもあるし、環境的な面もあるだろう。もしかしたら車で遊ぶことが世の中の流れとしてNGとなる日だって来るかもしれない。
何があるかわからない。だからこそ今、この時に全力・全身全霊を投入し、楽しんでいく。
先のことを不安視しても仕方がないが、それらがやってくることを予想し準備をし、その上で精一杯楽しむしかない。
『あの時こうしてればよかった』
そんな泣き言を言わないように、やるべきことはやっておきたい。