2023年10月19日
■ADVANスリックとGSのポテンシャルの違いを考えてみた
スリックタイヤ、と聞いて最初に思うことってなんだろうか?
何やっても破綻しない、すんげぇ神の領域のようなすげぇグリップ、じゃないだろうか?
俺もそう思ってた
これまで、スリックみたいなタイヤも何回か使ったことがあるのと、S耐でピレリのスリックタイヤを履いた経験からすると、そんなにたいしたことないな・・てのがこれまでの印象だった
そして今シーズン、1回だけADVANスリックを履いて走った感想としては、やっぱり夢のようなグリップなんて嘘ってコト
普通にむちゃすればアンダーも出るし、オーバーも出る
イメージとして伝えるなら、すごく出来の良いGS、そんな感覚
もちろんタイヤとしてのポテンシャルは高いのは言うまでもないし、何よりタイヤ自体もかなり軽いので明らかにGSより有利
でも・・もっとすごいモノを想定していた
が、想定より普通、そんな感じ(うまく伝わるかしら?
なお、スリックタイヤは普通にタイヤ屋さんで購入することができる
ちょっと誓約書なり色々書く必要はあるけど、誰でも買える
ただ俺が感じた注意点は2点
@タイヤの製造から2年しか保証されてない
A製造年月日の記載がないのでいつ製造のものかわからない
という点に尽きる
この2点はものすごく怖い
2年経過したらどうなるのか?保証されてないってことは、壊れる可能性も十分にあるということ
壊れるというのは、それこそトレッドの剥離などかなり怖い状況
でもそれを判断する材料が、タイヤのどこにも情報がないというのが普通のアマチュアドライバーにとってのネガティブポイントだ
普通に、我々が買うタイヤには必ず製造年、週が記載されているがスリックタイヤにはそんなものが一切ないからだ
つまり、スリックタイヤに興味を持った人がいたとしたら、絶対にヤフオク等の中古を買うのはやめたほうが良い、ということ。新品状態でもいつ製造されたものかわからないため、本当にヤバい。
あくまでスリックタイヤとはそういうものだ、と理解しておいて欲しい
ちなみに購入したのは、250/650R18というあまり馴染みのないサイズ
幅250mm(実際は252mm)、外径650mmだぜっていう意味
普通の265/35R18が幅265mm外径643mmなので、それに近いものを選んだ
ちなみに、作動温度も全然高いのでGSと同じ感覚でウォーマーを掛けても温度が足りないため、かなりチンチンにあたためる必要がある
2023/2/18のAttack筑波はこのスリックタイヤで走行しているが、この日のコンディションは決して良いものではなかった
まず気温が高い。7度〜8度くらい。ただし、気圧は1024~5hpaとかなり高い
が、路面には前日のオイル処理の跡が残っていたりと、ベストとは言い難い状況
とは言え、今シーズンで最後のTC2000タイムアタックの日でもあったのでスリックタイヤでの走行を実施
単純に比較はできないが、GSのタイムとセクタータイム等を比較すると下記となる
●ADVANスリック
59秒272 [Sec1]24.337 [Sec2]24.424 [Sec3]10.511 [TopSP]174.560
●GSベスト(295/35R18GS)
59秒670 [Sec1]24.447 [Sec2]24.629 [Sec3]10.594 [TopSP]171.619
約コンマ4の差だが、自分がまだスリックに慣れていないことも加味し、コンディションも良かったならば、あとコンマ5程度は速く走れたと感じている。
最高速は、タイヤが細くなっていることと、2ヘアの脱出速度が高くなっていることからこれまでのベスト最高速を刻んでいる。かなり速すぎ。
ただ本当に、魔法のグリップなんて全然ないじゃん・・というのが本当に驚きで、計測1周目はタイヤを冷やさないように、かつタイヤを使いすぎないように走ったのだが、びっくりグリップがなかったのが本当に印象的
2周目は、ホントに基本に忠実に走行した
これまでGSで培ってきた走り方とほぼ同じような形で、かつほんの気持ちすべてを前倒しにしてみる程度で
で、結局タイヤは縦に使わないとダメ、という当たり前の基本の話を、スリックでもやるだけなんだ・・とめちゃくちゃ痛感した
高い次元でそれらをやらねばならない、という高いスキルが求められるのがスリックの、というか高いグリップのタイヤではみんな普通の話なんだけど、それをさらに突き詰めていく必要がある、というのが大きな所感だった
そしてまた、このタイヤは倉庫にしまい込んだ
今シーズン、改めてちゃんと使いこなした上で、もう一度スリックタイヤについて評価してみたい