2024年03月24日

■VALINO新作タイヤ VR08GP SPORTでTC1000をタイムアタックしてみた

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 VALINOのVR08GPという、半分がほとんど溝がないスリックみたいなタイヤがあったが、現在は終売モデルとなり、代わりに同じパターンで半分側も溝が深くなったモデルとして、VR08GP NeumaとVR08GP SPORTという2モデルが発売された

 VR08GP neumaはTW200
 VR08GP SPORTはTW300

 と、摩耗性で差をつけてあるので、自分のカーライフにあったモデルを選ぶのが良い、という形になっている

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 なお、残溝は深いセンター?グループの位置で6mmちょい
 もともとVR08GPで2mmとかの浅溝だった部分は5mmちょいくらいとなっている

 今回、あえてグリップ力の高いNeumaではなく、SPORTを選んでテストしてみた
 というのも、普段街乗りでも走行し、たまにサーキット、という人に向いているタイヤと聞いたので、そりゃいいじゃん!て思って、Z3の対抗馬としてどこまで使えるのか?をすごく知りたかったからなのだ

 早速この手のタイヤの比較に最適な筑波サーキット コース1000 (TC1000)でテストしてみた

 この日のコンディションは風も強く、お世辞にもあまり良くなかったし、毎回フルグリッドなイメージでクリアラップは取りづらいという状況だったが、タイヤの特性を知るのでタイムは二の次と考えていたので問題なし

 気温は約10℃程度
 路温は計測できていないが、12〜5℃程度はあったと想定

 TW300なのであまり温まりは良くないと想定されるが、まずは念入りに3周程度温めてアタック

 1コーナーでものすごくリアが出る
 おっとっとというイメージでまだ温めがたりない?と思ってさらにリアタイヤを中心にあたためてテストを続行するが、全然グリップが立ち上がってこない

 1コーナーで無理して入ったらスピンモードに突入
 ヘアピンでターンイン時にオーバーステアで頭は出口を向いてくれるがトラクションが掛けられない
 インフィールドも同じ、ターンイン時のオーバーステアと出口での踏ん張りのなさで我慢

 最終コーナーはより顕著で、向きが変わって一気に立ち上がりにトラクションを、と思ってアクセルを強めにいれるとホイールスピンしたり横に抜けたりしてしまうため、丁寧にアクセルを踏む必要があり、ストレートの速度が伸びずタイムも伸びない、そんなジレンマに悩むタイヤに感じる




 外撮り動画はこんなイメージ
 最終コーナーでのフロントタイヤの踏ん張りがもう少し欲しいのと、我慢のアクセルの入れ方となっている

 もちろんセカンドグレードタイヤのようなフロントから抜けるようなことはないのだが、横方向の強いグリップ、踏ん張りが足りず、食ってない、という感触だった

 当初は39秒台のどの程度が出るかな〜?と考えていたが話にならず、40秒368が限界だった
 しかも、コーナーはほぼ犠牲にし、低速でコーナーを丁寧に丁寧にクリアしていく、という走り方をしてやっと、という感じだった

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 リザルトその1

 タイヤ表面を見てみるとほぼ20分フルで走ったにもかかわらず、キレイなモノで、まったくゴムが溶けてない、そんな印象の表面だった

 エア圧は1.6スタートで2.1前後ターゲットで走行終了後は2.0〜2.1と狙い通りではあるのだが、ゴムがグリップしてないという感触

 面圧がかかってないのでは?と想定し、エアを2.8で試してみたが特に変化なし
 一気にエアを落としてもっとゴムを動かしてみよう、と1.6あたりを試してみるがほぼタイムは40秒5前後

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 リザルトその2

 このタイヤのターゲットはZ3とのことだが、そんなレベルではなく、アドレナリンよりは良いが、Z3より下、そんなパフォーマンスのタイヤと感じる

 しかし、265/35R18ではなく別のサイズだとまた評価が違ってきているらしい
 ある程度扁平が大きい、225/40R17や205/50R16あたりだと想定に近い性能というコメントも来ているとのこと

 なのでこのタイヤ自体のすべての性能ではないという前提付きではあるが、少なくとも265/35R18のサイズについては、もっとタイヤのゴムが溶けなければグリップは得られない

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 この写真はTC1000の20分の走行をほぼフルで3本走行した後の状態
 なんにも起きていない

 ゴムの変化はほぼなく、表面だけでこすってる状態、というイメージ

 確かに減り、ライフという面では優れすぎているくらいの仕様だが、サーキットでも使えるタイヤ、というリクエストに対しては不満が残る

 温まりにくい=OK
 減りにくい=とてもOK
 ゴムが溶けない=NG
 横グリップ=NG
 縦グリップ=△

 気温も路温もそこそこ低いが、低温すぎるというわけでもないことと、周回数を重ねていることを考えれば、もう少しゴムが溶けて欲しい

 TW300のゴムはちょっとサーキットタイヤとしては厳しいのかも
 もちろん真夏の路温4〜50℃とかの世界では溶けて来るかもしれないが、さすがにピンポイントすぎるのでやはり作動温度は30℃くらいから来て欲しいというところ

 TW200だとサーキットに寄せすぎなイメージなので、TW240あたりのもう少し柔らかめのゴムを使った方が良いのではないか、と考える

 せっかくの良いコンセプトなタイヤだけに、かなりもったいない
 あと少し改善して欲しいということで、そういった要望を上げていきたい

 VALINOタイヤについてのテストはまだまだ続きます

 若手優遇走行会でVALINOさんにVR08GP SPORTをご用意いただき、皆さんでテスト・コメントをいただく予定でしたが、少なくとも265サイズでは皆さんの期待値に至らないと判断したため、緊急でテストタイヤを準備していただくこととしています。

 こちらも別途blog記事をupします

 265サイズでは別のテストタイヤ、評判が良い225/40R17及び205/50R16の両サイズではVR08GP SPORTを準備して試して頂く予定です。

 なお、265のテストタイヤはとても良い感じです。

posted by エイトリアン at 00:04| Comment(0) | VALINOタイヤレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする