2024年07月20日

■VALINO VR08GP NEUMAの新しいモデルを試してみた(結論:かなりイイ)

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 タイトルですでに結論を述べているが、かなり良いタイヤだ

 以下、詳細レポート

 VR08GP NEUMAというタイヤが発売されたが、VALINOがメーカーとしてさらなる進化をさせたい、という意図で、リリース後のこんな短いスパンで新モデルに変更して試作品を作ったので、試させてもらうことにした

 金型やコンパウンドは全く同一で、構造を大きく見直して変更したとのこと

 これまでのモデルはVR08GPと同じコンパウンド、構造で溝を深くしただけのモデルだった
 すなわちグリップを得るための熱容量のバランス、及びゴムと路面の接点の分散がうまくいっていなく、想定通りのグリップを得られていなかった、と予想していた

 VALINOでも同様の見解だった様で、今回は熱容量部分は敢えていじらず、構造部分を変更してきたというのは、アプローチとしてとても良いと考える
 構造強化の詳細は不明だが、ケーシング剛性を高めてきたことはグリップが上がることが大きく期待できるため、真夏の猛暑ではあったが、筑波サーキットコース1000で実走行テストを実施した

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 タイヤ:VALINO VR08GP NEUMA Newモデル 2024年25週製造
     ホイール 9.5J +45 (+5mmスペーサー)
 車両:RX-8 エイトリアンスペック
 気温:30度 路温 40度over

●1枠目走行
 10:20〜

 エア圧冷間1.4スタート(温間1.8目標)

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 コースイン後、明らかなグリップの高さを感じる

 路面温度が40度オーバーということもあり、タイヤの温めはほぼ不要
 計測1周目からほぼ全開でいける

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 1コーナーの飛び込みが、これまでのモデルとは異次元レベルで良い
 簡単なリアブレイクなど皆無
 もちろん、超ハイクラスのハイグリップラジアルタイヤやSタイヤではないので、オーバースピードで突っ込んだらもちろんドアンダーだが、斜めにGを掛けて飛び込んでもそれなりにカバーできるというのは、これまでより明らかな進化

 特に1コーナーを抜け、ボトムのポイントからのグリップが段違い
 きちんとふんばって立ち上がってくれるのがマジで嬉しい

 ただ、溝が高い分、このような1コーナーの様なピークのGが強いコーナーだとヨレが発生するので、これまでよりは明らかにグリップ力は高いが、そうはいってもヨレの分、ややグリップダウンは起きてしまう

 ただ、これは浅溝化で解決できるポイントだろう

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 この枠のベストタイムは40秒014
 正直39秒台入れられるかと思ったが、車両のマフラーのトラブルでパワーダウンが発生しており、そこまで至ることができなかった

●2枠目走行
 11:20〜

 エア圧1.5スタート(温間1.8目標)

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 車両トラブルが解決せず、パワー感がやや落ちてはいたが、テスト決行
 真夏の恐ろしいほどの気温、及び路面温度にも関わらず、グリップのタレはあまり感じられない
 もちろん後半はタレてくるが、途中で大きなタレやヨレなどもなく、概ね安定的にタイムを出すことができる

 特に最終コーナーのアプローチ、Sportは言うもがな、08JPNでもかなり意識して丁寧に走らないとグリップを失う傾向にあったが、必要以上に丁寧にアプローチしなくてもグリップがついてくるのがとても嬉しい(うまく伝わるかな?)

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 残念ながらこの枠でのベストタイムは40秒450
 39秒に至らず

●タイヤ評価
 VALINOの本気を見せてもらった気がする
 これまでのNEUMA、SPORTともに正直かなり微妙なものであったが、このNew NEUMAはかなり良い
 当然だが、08JPNより明らかにグリップレベルは高く、冬場なら38秒台も狙えるかもしれないレベルだ

 ただ、まだシバタイヤR23 200Rよりも横グリップの安定感には至らず、TC1000でもコンマ3秒程度ビハインドがあると思われる

 パターンは現状でも排水性やロードノイズなどの面からも変更せず、として、対策としてはあと少しトレッド面のヨレをなくしたいところ
 シバタイヤの200Rでも同様の傾向があるが、やはり高速コーナーでの横Gが掛かった時には溝の高さから当然グリップレベルが落ちる

 ここの対策をすることで、より良いタイヤになりそう

 ケーシング剛性はこの程度で十分だろう
 もちろんもっと上げたら・・という期待値はあるが。

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 新品状態で10mmの溝はちょっと多すぎる感が強い
 熱容量、という観点ではありかもしれないが・・

 できれば溝をあとは4〜5mm程度浅くして、ゴムの変形を少なくして欲しい
 これによってもっとグリップ力が得られるはず

 結論として、このタイヤはとても良い、ということだ
 スタートラインとして十分な性能を持っている

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 走行後のトレッド面などを見ても、とても綺麗に削れている
 真夏のTC1000を20周以上走行した状態として見てみても全く問題ない、というかものすごく綺麗

 現状、New NEUMA(ニューNEUMA)は、2024年25周モデル以降が該当し、現時点では265サイズのみ
 8/9(金)にTC1000で開催する、若手優遇走行会のテストとして用意する予定
 試し履きしたい方は、ぜひ若手優遇走行会へ!(29歳以下の方のみ参加可能です)

 やっとここまで来た
 なんかとっても嬉しい!

 もっともっと良いタイヤ、期待してますぜ!VALINOサン!

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 ちなみにこの日、暑すぎてまた熱中症気味になってた
 身体に熱が蓄積され、それが取れない感じ

 皆さん真夏の走行はホントに気をつけましょう・・

(写真) わいもさん たくさん写真ほんとにありがとうございます!
posted by エイトリアン at 20:31| Comment(0) | VALINOタイヤレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする