2021年08月14日
■シルクロード社サスペンション サーキットテスト Final プロ レーシングドライバー 谷川達也選手ドライビング
これまで2回、シルクロード社サスペンションのテスト・セッティングを実施してきたが、その集大成として、8/11の若手優遇走行会に於いて、プロ レーシングドライバー谷川達也選手にドライビングをしてもらい、素人の俺だけではない、正しいプロならではの評価をしてもらうことを実施した。
これまで、谷川さんからのリクエストとして、車高を落としすぎることによるストロークが失われ、ケンケンしないように、ロールするからといって脚を固めすぎない、どちらかといえばリアを落ち着かせる=ハネないセットが良い、ということがあり、それらを意識しながら、自分でアタックしやすいセットを狙ってきた。
谷川さんといえばGT選手権のドライバー、RX-8オーナーであれば、リアルテックデモカーのドライバーとして馴染みが深い方だが、実は軽車両とも縁遠くない。最近のN-ONEオーナーズカップ鈴鹿戦に参戦し、3連勝中という実績もある他、ドライビング講師としてジムカーナ等でもエッセに乗っている経験もある。むしろそんな谷川さんは、エッセ+シルクドード脚をテストしてもらうのは最適なドライバーの一人と考えられる。
この日の気温は33.8℃程度。なかなかの猛暑だが、酷暑というほどではないコンディション。
まず1本目。9:00〜9:06のA枠-1で走行。
今まで俺が走行しセットしてきた状況に対し、さらにフロントを3巻upし、キャンバーも4度に設定した状況で走行。
計測5周で車両に馴染んでいただき、ラストの5周目に47秒764
ここで谷川さんからリクエスト。本日は専任メカニックはいないあめ、調整できるのは、フロントの車高と減衰程度。
少しアンダーが発生しているとのことで、フロントの車高を下げるか?と提案したところ、リアをもう少し動かしたいので、可能なら車高を上げるか減衰を落として欲しいとのことで、リアの減衰を現在14段中3段(ゆるい方)になっていたのを、最弱の1段まで戻すことに。
車高はこのままで良いとのことで、この状態で2本目の走行を実施してもらう。
2本目は、9:48〜10:00のB枠で走行。
少し台数も多く、クリアも取りづらい中ベストなポジションで走行。
計測3周目に47秒264
ピットインし、まだフロントが少しアンダー傾向があるとのことで、フロントも40段減衰中5段戻しであったのを、10段戻しまで倍の柔らかい方向jにセットし、再度コースイン。
タイムは再コースイン後計測2周目に47秒646
計測3周目の47秒2には及ばなかったが、気温も高く、タイヤもタレているコンディションを考えると正確に評価はしづらいが、戻ってきた谷川選手のコメントを聞くと、この方がピッチ、ロールをしやすく向きは変わりやすく乗りやすいとのこと。やはり全体的にもう少し車高を上げたいと。
個人的に軽カーも低ければ低い方が速いと思っていたのだが、そうではないというリクエストがあり衝撃だった。
このあとはコースコンディション、タイヤの状態も非常にわかりづらいのでセットアップを変更してもわかりにくいということで、セットアップによるテストはここまでとした。
このあとは、スーパーラップで本日の集大成を、となるが気温もぐんぐん上がっており、路面コンディションも含めかなり劣化しているため、ベスト同等タイムが出せれば上等、というような状況ではあった。
そして谷川さんがラストの枠でコースイン。
1周目47秒818。ややオーバーステアを各コーナーで発生しているように見え、タイヤのタレが気になる。
2周目47秒559。うまくまとめていただいた!
が、残念ながらベスト更新、とまでは至らなかった。
しかしのちほどロガーデータを分析してみたところ、最終コーナー手前からコントロールラインまでのセクタータイム、47秒2のベストタイムの時よりもコンマ5以上速いタイムであり、トータル的な仮想ベストタイムは、な、なんと46秒343というものであった。
これは非常に驚き、というか驚愕。仮想ベストタイムなので実際には出せていないのでたらればに近いが、NS-2Rというタイヤをベースに、セクターを積み上げていくことでここまでのタイムが刻める余地があるということがもう驚きでしかないのだ。しかもこんな真夏に・・。
谷川さんからも、この脚についてとても良い評価コメントをもらっている。
詳細はYouTubeの車載・インタビュー動画を見てもらえればと思うが、とにかくハネない、ちゃんと路面にトラクションを掛けられる脚だということ、乗りやすい脚だということなどを感想として頂いていただいた様子。
以上で、約2ヶ月に渡るシルクロード社サスペンションのテスト企画は終了となるが、まだ谷川さんと話していて、車高のupやタイヤの空気圧upなどやることがいくつか残っており、自分自身で少しこのあたりも試してみたい。
エッセでこんな良い脚に巡り会えたこと、本当に嬉しく感じる。
ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
<ご協力>
サスペンション協力 株式会社シルクロード様
取り付け・アライメント協力 株式会社クリスタル様(クリスタル本店)
プロ レーシングドライバー谷川達也様
プレミアムジャパン 宮本様
2021年07月26日
■クリスタルさんで再度エッセのアライメント調整
シルクロードさんの脚を装着後、クリスタルさんで装着・アライメントをやってもらったが、そこからフロントの車高を6回転upしていることなどもあり、キャンバーが起きているのでは?との推測から再調整したかったのと、ステアを切り込ん時の踏ん張りがほしくてキャスターを少し倒したいということでの依頼だ。
なお、フロントの車高は更に3回転upさせた。まだリアが簡単に出る感じなので、もう少ししっとりさせたいため。
トータルとして、9回転upしている。2mmなら18mm上がっているイメージ。この状態だと、ド車高短ではないな、もう。
シルクロードさんのエッセ用車高調、なんとキャスターまでいじれる仕様なのがでかい!コレができるのがこの脚のめっちゃイイところ!あんまりキャスター側いじれるストラット用脚って多くないイメージ。
にしても、こうやって試行錯誤しながら脚を調整していって結果を求めていくの、とても良いね。楽しい。
なお、リアの減衰はさらに1減らして3段の設定にしてみた。これでも激しい段差だと飛び跳ねちゃうんだけど、軽だともうこの辺、どうしようもないとはいえ、なんとかしたいところ・・。
またこの仕様でアタックしてみて脚の動きなどを確認していきたい。
2021年07月24日
■シルクロード社サスペンション サーキットテスト Day2 -47秒台達成-
先週にシルクロード社サスペンションのテストを実施し、いい感じだったがさらにフロントの車高を上げて、かつロアアームバーを外した状態でどうなるかをテストするためにTC1000へ再度訪問。
かつ、首都高横羽線の段差が
朝8:30の枠で走行。気温は先週よりちょい低め、28度程度(スマホ計測は36度だがそこまでないだろう)。死ぬほどの暑さではないこと+路面もまだキレイということで、タイムアップが期待できる。
コースインし、動きを確認。いい感じでリアのスライドも収まる感じになっており、理想的。
タイムは47秒6。
いきなりのタイムアップ。
こりゃええわい!凄くスムーズに走れて、このセットは当たり!
先週より気温が低い状態とは言え、真夏のこの時期に47秒中盤まで出せるのはすごく大きい。
NS-2R、侮れない。
冬場なら単純な気温ブーストだけでも46秒台は見えてきた。
タイヤをイイのにすれば、45秒台も全然ターゲットに入ってきている。
なお、乗りやすさという面、リアの4段設定はかなり良き。やはり街乗りを考えると7段だとキツい。もっと低めでも良いが、それだとリアが動きすぎるのでサーキットユースではどうか?という不安もあるため、最後は微調整というところで攻めていきたい。
なお、11:30の糞暑い枠でも再度走行してみた。
コンマ6以上落ちている。路温も高く、すぐタイヤがタレっタレになってしまい、キツめ。
セクタータイムだけを集めれば47秒5程度までは仮想で出せているのだが、うまくまとめきれられていなかった。
とは言え、48秒前半をキープできているので、かなり良くなってきているのも事実。
なお、本日のベストセクタータイムを組み合わせた仮想ベストタイムは47秒223。コイツはヤバい!!
まだエッセで、全セクターベストを出せるようになっていないのは俺の腕の問題。
ポテンシャルは確実に上がっている。
左タイヤ
右タイヤ
ややこじってる感じになっているので、ここも要修正。
ということで、まずはセットアップの大きな方向性は見えた。
車高は前後フラットかもう少しフロントが高めでも良いかも?
減衰はF5段戻し、リア4段。
最後はプロドライバーとのディスカッションしながら決めていきたい。
2021年07月18日
■シルクロード社サスペンション サーキットテスト Day1
以前使用していたサスペンションだと、リアを動かすのにフロント下がりにしていたこともあり、今回のシルクロード社サスペンションの初期セットアップも同様に、リアに対しフロントが10mm落とした形としてもらうようにクリスタルさんに依頼してその通りになっていた。
が、これだと街乗りレベルでも少し不都合を感じるくらいの車高になっており、やりすぎたかな?と少し感じながらも、まずはこの状態で走行してみることとした。
一番気になったのが、リアをここまで落としたことによるサスペンションの底付きが起きないのか?という点だ。
シルクロード社のRMS-Kは、そもそもリアのサスペンションはショート加工されている様で、初期セットアップの段階で街乗りレベルで底づきを感じることはない。サーキットに持ち込み、横Gなどでロールした際にどうか?を含めたテストが今回の目的の一つ。
コースはいつもの筑波サーキットコース1000。
タイヤは165/55R14のナンカンNS-2R。
先月6月5日に走行した際は、48秒154を出していたが、その日と比較しても気温の差は10度近く。かなり暑い。猛暑。
サスペンションは初期セットのまま。減衰もF5戻し、R7段。
1本目は13:40の枠。20分走行。
かなりオーバーステアな感じ。ヘアピンあたりはクルリと回頭性良く曲がってくれるが、1コーナーの侵入でもオーバーステアが出るためもう加速体制に入るのに遅れるので少しNG。
22周走行し、ベストタイムは10周目の48秒066。安定して48秒台は出せず。
なおサスペンションの底付きは発生していない。バンプタッチは多少しているか?という感触。
が、おかしな挙動はしていないので特にここは問題にならない。
ただ、クルマが横に流れることが多く、成功率が下がってしまうのでもう少しリアを安定させたく、走行後にフロントの車高を3回転upさせる。1回転が何mmか不明なのだが、定規で計測したところ2mm以上あるように見え、ロワシーとが邪魔でちゃんと計測できなかったが、6〜7.5mm程度upしたと推測。
この状態で気持ちフロントがリアより低いかなという感覚。
そして次の15:20の枠で走行。
1コーナーなどの高速コーナーでのオーバーステアは概ね消え、かなり走りやすくなる。
ベストタイムは48秒050。ほとんどupしていないが、全然走りやすさが違う。路温もめちゃ上がってるし、路面もタイヤカスだらけになっているにも関わらずタイムが伸びていることからも、明らかに走りやすくなっている。48秒台も安定して出せるようになっている。全然違うなこりゃ。
ただまだリアの回し込みをした際、横に流れる力が多いイメージで、もう少し早めに抑え込みたいところ。
ここはもう少しフロントの車高で合わせたい。
サーキットのあと、よしずガレージにて車高up作業と、車高downに伴うロアアームバーが段差であたることもあったので撤去作業などを実施。
正直暑くてスポットクーラーを浴びまくっていても何もやる気が出ない(笑
こんな時に良く走っていたなと思うくらいだ・・・。
殺人的な暑さが今年もまた、やってくる・・。
めちゃくちゃ休憩し、水分を補給しながら作業を実施。
しかしやはりFRだろうがFFだろうが、リアの車高を決めてからフロントで調整というのが一番カンタンでわかりやすく、手軽に調整できるので非常にオススメ。
走行後の右タイヤ
走行後の左タイヤ
なお、ちょっとピンぼけだが走行後のフロントタイヤ。
これまでリアに履いていたタイヤをフロントに持ってきたのだが、ガンガン走ってもこんな風にキレイに走行できているので、この脚の良さが良くわかると思う。
今後、は減衰など細かくセットしていき、よりパフォーマンスを発揮できる方向を目指していきたい。
次回テストは来週7/23を予定。
なお参考までに、この日のリザルト。
走行しすぎwww
2021年07月14日
■シルクロード社サスペンションをエッセに装着してみたゾ!
昨年購入した軽のエッセ。
壊れないしラクチンだし全開で走れてとても楽しいクルマだってすげえ感じて、もっと軽のモータースポーツを楽しめる機会とか増やせないかな?と思うようになってきた。
まずはどこまで楽しめるクルマで、どこで制限などが出てくるか?などを見出すために、少しずついろいろやってきた。
もともとD-SPORT社のパーツがふんだんに投入されていたこの車なので、サスペンションももちろんD-SPORT製。大きな不満はないが、リアの車高調整機能がないのと、もう少しふんばりが効いてほしいと思い、車高調リニューアルを検討してきた。
そこで奈良県にあるシルクロードさんの軽車両用サスペンション、RMS-Kの商品テストをさせていただけることになり、サーキットを中心としたレビューをしていく予定だ。なおシルクロードさんは、カーパーツの製造も販売もやっているアフターパーツメーカーで、よりモータースポーツを発展させたいと考えている企業だというのも非常に自分としては近しい考えでうれしい。
今回取付・アライメントを実施したのは、千葉県穴川にあるカーショップクリスタルさん。
シルクロードさんのサスペンションの実績もあるのと、軽のFFのアライメントなんて俺に全く知識がないので、いろいろと相談しながらできるところということで、プレミアムジャパンの宮本さんから紹介してもらったお店だ。
以前にこの店に行ったことがあるが、商品在庫が半端じゃなく良いのでびっくりしたのだが、作業も丁寧で知識もある人が多いのが非常に良い。一般車両からグリップ、ドリフト車両まで何でもできるお店だと聞いて、懐広いな…って思う感じ。工賃も全然高くない。
仕上がった車はこんな感じ。
えっ!?ド、ド、ドシャコタン・・!?
これじゃサスペンションも底付きとかしてんじゃない?と思って聞いたところ、全然まだまだ余裕らしい。
フルストロークしてバンプしたらバンプラバーにつくかもなので、そこは状況次第で考えよう、ということになった。
なお、ちょっと前のエッセの車高はこんな感じ。
全然違うwww
なお、フロントのキャンバーは4度。なかなかいいね。
この状態で、街乗り+高速などを走行して帰宅しながらテスト走行を実施してみた。
フロントは40段で、最大締めた状態から5段戻し。
リアは14段で、半分の7段。
1.バネレートがF8 kR6.5kと明らかにレートアップしたが、不快な突き上げなどなくとても快適
2.路面のアンジュレーションを吸収する力は明らかにワンランク上。
段差の乗り越えも非常にしなやかで、KYBサス、侮れない。
軽で車高短にしてもこんなカンジで抑えていけるんだ、とびっくり。
正直、ピコピコするってのも多少覚悟していただけに、まったく違っている。
ただし軽ということもあり、車がジャンプするくらいの段差があると、それはさすがに跳ねる事になってしまう。
これは脚がどこだろうと無理だろう
3.高速コーナーは理想通り。車高も落ちてバネレートも上がっているのでロールが少なくなってるのも大きいし、キャンバーがついているのもあるのだろう。非常に安定してコーナリングできる。これはでかい!!!
非常に良いね。あと不安なのが、フルストロークした状態でのステアリング操作でフェンダー巻き込みやインナーフェンダーへの干渉等。
この辺はサーキットを走ってテストする。
最終的にはプロドライバーにこの車両を評価してもらう予定で、それまで3〜4回程度走行とセッティング変更により、仕上げていく予定。
ツイッターのハッシュタグ「#シルクロードサスペンションテスト企画」でも本件について、blog記事にする前の感想等、つぶやいています。
ぜひお楽しみに!